百鬼夜行の始まり
シナリオ ユキか
執筆原稿 九嶋くく様
タイトル:百鬼夜行の始まり
濃い朝霧が木々を覆い、その輪郭を曖昧にする早朝のこと。
森が静かに轟き、揺れる木の葉を切り裂くように風が舞う。
百鬼が棲む森で、赤鬼はふと、盃を煽るその手を止めた。
「どうやら、目ぇ覚ましたみてぇだなあ……」
そのしゃがれた声にあやかしたちが静かに騒めいた。
赤鬼は一息に酒を呑み干すと、岩のような巨体をゆっくりと持ち上げた。
青鬼はその背中を緩慢な動きで見上げ、深く溜息を吐き出す。
肺を満たす山の精気の緑が一秒ごとに濃くなっていく。
──あやかしが、新たに輪廻した。
青鬼のそばに控えていた鎌鼬もまたその白く柔らかな毛を逆立てて、気配の方向を睨みつけた。
「木魅(こだま)の一族か」
青鬼の低い声に赤鬼はにやりと唇の端をつりあげて笑う。
「ああ、そのようだなあ」
あやかしの棲むこの森の最奥にそびえる、霊力を宿した聖なる神樹。それを司る木魂たち──別の名を木魅。
木魅一族の頭が命を落としてから、幾許か月日が経った。頭は常にその魂を常に同じくし、輪廻する。
「新たな器は、どんなものだろうな」
青鬼の言葉に赤鬼は喉を鳴らして笑うと、舌なめずりをした。
「なに、軟弱そうな奴が新しい頭だというなら、わしがさっさと頭から喰って成り代わってやるわ」
いくぞ、と赤鬼があやかしたちを先導する。
新しい頭の、その御尊顔とやらを拝むため。
──ああ、また生き返った
微睡むような曖昧な意識の中で、木魅──柊雪(ひいらぎゆき)はそう理解した。
神の気配を感じる。神の宿った樹の元に、また産まれ直したのだろう。
柊は何度か呼吸を繰り返すとゆっくり瞼を開いた。
鮮やかな緑が見える。しかし産まれたばかりで定まらない視界の中ではその輪郭は曖昧だ。
──また吾は、木魅の生を繰り返すのか…………
神樹の太い根の股に埋もれるようにうずくまっていた柊は、嘆息すると背を伸ばして生い茂る木々の隙間から見える空を仰いだ。白む空が少しずつ朝焼けに染まっていく。
柊はそのまま細い足に力をこめ、ゆっくりと立ち上がった。深く呼吸をすれば、体に森の匂いが満ちていく。よく馴染んで落ち着くような、あるいは自身の魂を荒く駆り立てるような。
柊は、そんな心地に曖昧な意識を委ねた。
「……あれが新しい頭かあ?」
「なんだ、随分弱そうなのが出てきたな」
その頃、森の最奥に辿り着いたあやかしたちは先導する鬼たちの後ろからその様子を伺っていた。
樹の下に虚ろな瞳でぼんやりと立ちすくんでいる柊の目に、あやかしたちはどうやら映っていないようだった。それが余計に産まれたばかりの木魅を無力で矮小に見せる。
先頭に立つ赤鬼と青鬼はしかし、見極めるようにじっと少女を見つめていた。
狐のあやかしが囁いた。
「ねえ赤鬼様。あんなちっぽけなの、殺しちまいましょうよ」
蛇のあやかしが笑った。
「女と子供のあやかしは肉が柔らけぇからなあ」
そして、鎌鼬が腹をさする。
「なあなあ、おいらも喰ったら強くなれるかなあ」
そんな調子のあやかしたちに、青鬼は呆れたようにため息をついた。
あやかしたちにはわからないのだ。今目の前にいる、あのちっぽけにみえる存在が、どれほど強大で恐ろしく、底知れない力を孕んでいるのかを。
おそらくは、ここに蔓延るあやかしたちの力をあわせてもあの少女の持つ力の半分にも満たないだろう。
青鬼が心中に募らせる苛立ちを悟った赤鬼は苦笑しつつ、今にも少女を喰らわんとするあやかしたちを手で制し、一歩前へ踏み出た。
「あんたがあたらしい木魅の頭かい」
穏やかな、しかし空気をびりびりと震わせるような低い声に、柊の視線がゆらりと踊り、赤鬼の姿を捉えた。
赤鬼はその氷のような視線に身じろぎ一つせず、淡々と尋ねた。
「どうだね、新しい器の調子は」
鬼が問うても、柊は答えない。少女はただじっと見つめ返すだけだ。
赤鬼はすう、と目を細め、忠告を突きつけた。
「──あと幾夜も経てば百鬼夜行がまた始まる。お披露目だ。必ずやその列に加われ。いいな?」
百鬼夜行。あやかしたちが集結し、列を成し、騒ぎ、時には争う祭り。
それは月が満ちる時、そして太陽に喰われる時に現れる。醜くも美しいあやかしたちの行進だ。
柊は唇を固く結んだまま、桃と紫がとろりと溶け合った色の瞳でじっと赤鬼たちを見る。
「これはお前ら木魅一族の使命だ。百鬼夜行を統べる王からの命でもある」
柊は爛々とこちらを見つめるあやかしたちを一瞥すると、ふっと目を伏せた。
小さな手のひらに体の底から湧き上がる力を注ぐと、花が咲くようにして長い楓の枝が現れる。そしてそれを彩るように黄と緋の飾り紐も宙に現れ、楓の枝に巻き付いた。
柊はそれを掴むと、とんとん、と地面を叩いた。森が杖を通して自分自身と繋がっていく心地を覚えながら、ゆっくりと息を吐き出す。
柊は、桜色に染まった唇を開き、目の前のあやかしたちを見据えた。
「──吾は木魅。木魅は神の宿る樹の精霊。この森を統べる精霊のひとつ。其方たちのような下郎に従うつもりは微塵もない」
雪解け水のような透明な声で淡々と紡がれた言葉に、赤鬼はぎょろりとその鋭い眼光を睨ませた。
「下郎だあ……?」
呻くような声が地を轟かせる。
「去れ」
柊の杖が揺れ、ごう、と風が唸る。
赤鬼は柊の明確な拒絶に豪快な笑い声を上げた。
「いい度胸だなあ! この数百年というもの、我らに抗ってきた木魅は初めてだ!」
しゃがれた声は雷鳴のように木々を揺らす。柊はそのざわめきに目を細め、手中の杖を握り直した。
牙を剥き出しにして笑い続けている赤鬼を横目に、青鬼もまたくつくつと肩を揺らして笑い声を漏らす。
「木魅であろうと百鬼夜行に従わんとはな。よほど自信があるとお見受けする」
赤鬼と青鬼は視線をぶつけると、それを合図に各々の武器を構えた。
赤鬼は漆黒の棍棒を。
青鬼は青い炎を纏った黒い刀を。
「従わんなら殺してやるまでだ」
鬼たちの言葉にあやかしたちも咆哮をあげる。
真っ先に躍り出たのは鎌鼬。白い毛並みをなびかせ、普段は柔らかな輪郭をもつ手を鋭い鈍色の刃に変えて、虚ろな瞳でこちらを見つめる柊の首筋へ振りかぶった。
──その瞬間。
柊の後ろにそびえる樹から棘の生えた蔓が鋭く伸びてしなると、鎌鼬の体を地面に叩きつけた。
「うぎゃっ」
鎌鼬の悲鳴を掻き消すようにして、次々と鬼たちの後ろに控えていたあやかしたちが柊へ襲いかかる。
柊はそれら全てを、まるで塵でも払うかのようにすべて蔓で薙ぎ倒した。
地面へ倒れ伏せていくあやかしたちを見て、青鬼は感心するように「ほう」と低く呟いた。
「雑魚ばかりとはいえこの威力……どうも口先だけじゃあなさそうだ」
赤鬼はそういうと、肩に担いだ棍棒を振った。ぶおん、と空気を裂く音が唸る。
柊は煩わしそうに眉をしかめるとうねる蔓たちを一瞬にして繭のように自身の周りを囲わせた。
「こそこそ隠れてんじゃねえ!」
赤鬼はそう叫びながら棍棒をその蔓の繭へと叩きつけた。しかし蔓は軋む音もせず、せいぜい棘がいくつか折れるばかり。まるで鋼のようなその硬さに赤鬼は小さく息を呑んだ。
「…………」
青鬼もまたその目の当たりにした光景に驚きながらも冷静な面持ちで担いでいた刀を構え、地面に這っている蔓にその青い炎の纏う刃を振り下ろした。
蔓は何事もなかったかのようにそれを弾き、それから蛇のように踊った。
「くそっ……」
青鬼は舌打ち混じりに渾身の力を込めて叩き折るように再び刃を突き立てるけれど、蔓は軋む音を立てるだけで呆気なくそれを弾いた。
「どうなってんだ、こりゃあ」
「森の加護が強すぎる!」
青鬼の苛立った言葉に赤鬼がうめくような声で返す。
「う、うあああ! なんだよう、これ!」
不意に鎌鼬が喚いた。見れば、地面から伸びた草花がひたり、ひたり、と鎌鼬の細い四肢を捕らえていた。
「っ、こっちもか!」
青鬼の足にも気配なく花がその茎を巻き付けている。ぐっと足に力を込めても、か弱そうに見えるその茎は緩む気配もない。
「木魅の力か……!」
青鬼は刀に纏わせた炎ですぐに足や腕にへばりついた茎や葉をさっさと焼き払うが、しかし次から次へと湧くように草花は現れてはあやかしたちを囲っていく。
赤鬼の棍棒も同様に、草木たちは悠々とその酷く硬い武器を柔らかに受け止めてしまう。
力を振るうたびに込み上がる、むせるほど濃い花の香りに、青鬼はくらりと目眩を覚えた。
さらに増えた蔓たちはしなやかにその身を伸ばし、果敢に襲ってくるあやかしたちを呆気なく跳ね除けた。あやかしたちの肉や骨の打ち砕ける音が聞こえ阿鼻叫喚の悲鳴が響き渡る。
見るからに非力な少女然としたあやかし一体に、どれだけのあやかしも、赤鬼の棍棒も青鬼の刃も敵わない。その信じがたい光景を目の当たりにしたあやかしたちは畏怖に満ちた視線を柊に向けた。
猛襲がやんだことを悟った柊は、再び蔓の繭を開き、その花のように艶やかな瞳であやかしたちを見た。
「なんだ。もうおしまいか?」
まるで子供の戯れをあしらうような言葉に、赤鬼は額に青筋をたて荒い息を吐いた。
「……へえ、随分と舐められたもんだな」
棍棒を地面に突き立てる。柊の操る草木に妖力を吸われてしまい、動いた分以上の重たい疲弊が体にのしかかる。
「ならいっそ、この森ごと燃やしちまうか」
赤鬼がそう言って棍棒に真っ赤な炎を纏わせ、青々と繁る神樹へと翳した瞬間だった。
「──待て」
かろん、と軽やかな下駄の音と海鳴りを思わせる穏やかな声が響く。
森の濃い緑に、夜よりも深く黒が陽炎のようにゆらめいた。
「黒霧様……っ!」
鎌鼬が叫ぶ。元々地に伸びていた体をどうにか起こし、頭を平伏す。
他のあやかしたちも、次々とその黒いもやへと平伏せていった。赤鬼と青鬼も同様に、息を呑み片膝をつき、頭を垂れる。
それらの横を、かろん、かろん、と音をたて、赤い鼻緒の高下駄を履いた黒い霧が悠然と通り過ぎていく。
森に静寂と、緊迫の糸がぴん、と張られる。
少しでもその糸を揺らがせば、首の皮一枚すら繋がっていないと予感させるような、息の詰まるような緊迫。
「なるほど……生まれて間もない木魅がこれほどの能力を使えるなんて、大したもんだな」
悠長にそう呟く、黒霧と呼ばれた「それ」は肩を──正確に言うなら、黒いもやに包まれた肩にあたるであろう箇所を──揺らして笑うと自身に襲いかかる大量の蔓をすり抜けながら柊へと近づいていく。
柊は当然のように蔓でその中央を穿った。
しかし黒いもやそのものには実体がないのか、蔓がいくらそれを貫こうが縛ろうが、敢えなく空振りに終わる。
柊もその奇妙な感触に僅かに眉をひそめた。確かにそこにいるのに、捉えられない。違和感は焦りに変わっていく。
「おい、木魅の娘」
ついに高下駄が柊の目の前で止まった。
「あやかしに生まれ、この森に産まれ直したのならば、百鬼夜行の先頭をつとめるのが習わしというものよ。これは古よりの定め。お前には従う他の選択肢などない」
黒霧は楽しそうに、しかしどこか冷酷な響きを持った声でそう告げた。
柊は言い返すこともなくただじっと、目の前の黒いもやを見つめた。
息を吸って、吐く。
目の前に突如現れたそれが、何者なのか。明確な答えを出せずとも、それがこの辺りに棲むあやかしたちの頂点であることくらい肌で痛いほどに感じる。
森と自分が楓の杖を通して繋がっていく。
蔓は自分の指。地面は皮膚。花は眼球。この森を司る木魅一族として、そしてその頭として充分すぎるほどの力がみなぎっている。
しかし産まれたばかりのこの新しい器では、その全てを制御しきれない。
柊はただ本能で、目の前の存在に今抗うべきではないと理解し、手中の楓の杖を握り直した。
しかし視線だけは黒霧を貫く。
「なるほど……」
柊の瞳の中には花が咲いている。視線を受けた黒霧は、その幼くも美しい木魅の内に蠢く、強大な力の気配を悟り、目を見張った。
しかしそれも、まだ未熟なもの。あやかしすべてを統べるには至らない。
「まあ、しばらくの間は目を瞑ってやろう。もう少しその肉体が今世に馴染んだ頃でいい」
黒霧は穏やかな声でそう言って笑うと柊に背を向けた。
「その時が来たら、余が迎えにあがろう」
そう言い終えるが早いか、黒霧はゆらりと腕を振った。
刹那、突風が吹く。柊が思わず目を瞑り──再び開けばそこにはもう、赤鬼と青鬼、そして鎌鼬以外のあやかしは全て姿を消していた。
「……殺したの?」
「まさか。元の場所に戻してやっただけだ」
黒霧はくつくつと笑うと足元からこっそり逃げ出そうとしていた鎌鼬の尻尾を掴んだ。
「ふぎゃっ」
間抜けな悲鳴もそこそこに、黒霧はまるで鞠を扱うかのように鎌鼬を柊に向けて放った。柊は怪訝な顔をしながら、その白い毛玉を蔓で受け止めた。
離せえ、離せえ、と震えた声で言いながら暴れる鎌鼬はどう見ても非力だ。今もその腕を先ほど見せていた鋭い刃に変えて突き立てれば少しは抵抗になるだろうに、どうも混乱と動揺がそれを忘れさせているらしい。
柊がぼんやりと鎌鼬を眺めていると、黒霧は肩をすくめてみせた。
「こいつらはお前の僕としてでも使ったらいい。神樹を燃やそうとした罰だ」
そのからかうような声に、赤鬼と青鬼は苦虫を潰したような表情を浮かべた。
「それじゃあ、また会おう」
黒霧は悪戯っぽく笑うとそのもやのような輪郭を歪ませ、竜巻のように吹き上がり、一瞬にしてそこから姿を消した。
柊はしばらく黒霧の消えた痕を見つめ、それから鎌鼬を捕らえていた蔓を緩めた。ぽふん、と軽い音を立てて草花の上に鎌鼬の柔らかな体が放り出される。鎌鼬は解放されるや否や、慌てて赤鬼の足元へと逃げ込んでいった。
柊はそれに微塵も意を介さず、また蔓を操り神樹の太い枝にぶら下がるように繭を作り出すとその中へ身を滑り込ませた。膝を抱えて寝転がれば、ようやく体からくたりと力が抜けていくのがわかった。
森に静けさが戻る。穏やかな風とともに木洩れ陽が揺れる。
それまで息を潜めていた鳥の囀りが戻り、争いを陰から見守っていた鹿や兎も姿を現し、赤鬼たちの横をすり抜けていった。
平穏が戻る。まるで数刻前と何一つ変わらないような表情で。
「……黒霧、か」
それから幾度か月の満ち欠けを繰り返し、柊の新しい器がすっかり今世に馴染んだ頃。
「……黒霧。其方また勝手に上がり込みよって」
柊が森から神樹の繭へ戻ると、そこには黒いもやの男──黒霧が盃片手に居座っていた。黒霧は柊を見るとひらりと手を振ってみせた。
「やあ、お邪魔してるよ」
その気安い返事に、いくらあやかしたちに揶揄されようが赤鬼や青鬼に嗜められても動くことのない淡々とした表情にはいい加減怒りや呆れが浮かんでいた。
しかしこの男を無理やり追い出そうと画策しては失敗し続けている柊はただため息をつくことしかできない。柊は蔓を操り繭を拡張するとなるべく黒霧から離れた場所に腰掛けた。その瞬間、黒霧が自ら盃へ注いでいる酒瓶が目に入った。
「こ、これ!」
慌てて駆け寄り、黒霧の手──もやで包まれているせいでわからないが、おそらく手に当たる部分──から酒瓶を奪った。半分以上呑まれているそれは、柊の棲む神樹へ捧げられたものだ。
「こいつは吾の御神酒じゃ! 勝手に呑むんじゃない!」
「まあまあ、そうケチ臭いことを言うんじゃないよ。お前さんの御神酒はすこぶる美味いんだ」
柊の細身の体でしっかり抱えた酒瓶はしかし、黒霧の妖力によってすぐに再び奪われてしまう。
「この……っ」
「返して欲しけりゃ、余と盃を交わすっていうのどうだね」
そう言って黒霧が赤い漆が塗られた空の盃を放る。柊は蔓でそれを受け取ったが眉をしかめて苦い顔をした。いうまでもない拒絶に、黒霧は素直すぎる表情にけらけらと笑い声を上げた。
「御神酒を呑み終えたらさっさと帰れよ、このがめつい霧野郎め」
ふん、と柊が鼻を鳴らして腕をくめば、黒霧は酒を飲み干した盃を眺めながら首を傾げた。
「おやおや、人間界にこっそり降りたのに土産をひとつもくれないような奴に言われたくないねえ」
普段表情の動かない木魅が、実は人里へ興味を持っていることや、その上己の分霊を人里に飛ばし、人に混ざり過ごすことがあること。柊はそれをひた隠しにしていたが、壁に耳あり障子に目あり。この辺り一帯のあやかしたちを統べる黒霧にとってそんな秘密は瑣末なものだ。
柊は全てこの黒霧の掌の上であることに深いため息をついた。黒霧はそんな柊が愉快でたまらないようにまた笑い声を上げる。
「次行くときは余にも土産を必ず寄越せよ」
「やかましい!」